【こんな症例も治りますシリーズ 816】『 セカンドオピニオン診療 : なかなか治らなかった\目の傷/、透明な睫毛が関与していたワンちゃんのお話 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、この子の上眼瞼の異所性睫毛です。 ・ ■ 青矢印の先端部分に『短くて透明な異所性睫毛』が見えます。

 

── セカンドオピニオン診療で見えてきた、本当の原因

 

 

犬 トイプードル 9歳 オス(去勢手術済)

 

 

 

【 角膜潰瘍(目の表面の傷)が何度も繰り返しできてしまう 】とのことで、セカンドオピニオン診療で当院を受診されました。

 

 

 

◆◆ ご来院相談時の状態では、目をしょぼしょぼする状態が続いており、同じ場所に角膜潰瘍が繰り返し認められていました。

 

 

 

■ 点眼治療で一時的に改善するものの、完全には落ち着かない状態が続いていました。

 

 

 

■■ 当院での診察で分かってきたこと

 

 

■ セカンドオピニオン診療として、なぜ同じ目の部位に傷が繰り返しできるのかという点を重視して診察を行いました。

 

 

■ 点眼麻酔を行い、上まぶたを反転して詳しく観察したところ、
角膜に接触する位置に、\ 非常に細く透明な睫毛が1本確認 /されました。

 

 

■ 一見すると睫毛には見えず、注意深く観察しなければ見逃してしまう状態でした。

 

 

 

 

 

■■ 異所性睫毛という所見について

 

 

■ このように、まぶたの裏側(結膜側)から生えてくる睫毛を異所性睫毛と呼びます。

 

 

■ 今回のように、

 

 

睫毛が1本だけであること、

色が透明から半透明であること、

角膜に接触していることから、

角膜への刺激が続き、傷を繰り返す原因になっていたと考えられました。

 

 

 

 

■■ 治療と方針について

 

■ 異所性睫毛に対しては、外科的に毛包を処理する複数の方法が選択されることもあります。

 

■ しかし今回は、症状が比較的軽度であったこと、ご家族のご希望を踏まえ、まずは外科処置は行わず、角膜保護を目的とした軟膏による保存的治療を選択しました。

 

 

 

 

 

■■ 経過について

 

 

■ 軟膏治療を開始後、角膜の傷は徐々に改善し、現在は角膜潰瘍は消失しています。

 

 

■ 目を気にする様子も落ち着いており、現在は良好な状態を維持できています。

 

 

■ 今後も再発の可能性を考慮しながら、慎重に経過観察を続けていく予定です。

 

 

 

 

 

◆◆ さいごに

 

 

 

■ 角膜潰瘍を繰り返す場合や、治療してもすっきりしない目の症状が続く場合には、原因が別のところに隠れていることがあります。

 

 

■ このワンちゃんの症例が、同じように悩んでいるご家族の参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

 

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